ここ2~3年で、自己肯定感という言葉が当たり前になってきました。自己肯定感が低いと生きづらさを感じたり仕事が嫌になってきたり、生きていく上での障害になりかねません。そもそも自己肯定感が低いのか高いのかわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では自己肯定感の低い人の特徴と原因、さらに自己肯定感の高め方を解説します。
自分が低いのか高いのかって気になりますよね!そしたら自己肯定感が低い人の特徴をお伝えしますね!
目次
そもそも自己肯定感とは?
自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れることができる感覚のことです。他人と比較することなく今の自分自身を認めることができることでうまれる感覚で、人生の幸福度にも関わってくるといえるでしょう。似た言葉に「自信」ということばがありますが、下記に違いを記載します。
■自己肯定感
無条件で自分には価値があると信じている感覚(絶対評価)
■自信
条件付きで自分には価値があると信じている感覚(相対評価)
より詳しく自己肯定感を理解したい方はこちらの記事もご覧ください。
また、自分の自己肯定感が高いか低いかを知りたいという方はこちらのチェックテストで診断してみてください。
自己肯定感が低い人の特徴
自己肯定感は低い人には2つのタイプがあります。
①自己肯定感が低く自信は高い人
②自己肯定感が低く自信も低い人
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①自己肯定感が低く自信は高い人
自己肯定感は低いのですが、何かで成果を出したり努力してきたことにより相対評価で高めてきた「自分は〇〇ができる」という自信は高い方です。
自己肯定感が低く自信は高い人タイプの特徴
このタイプの人は、プライドは高く劣等感が強いという傾向があります。
ありのままの自分に価値があるとは思えていませんが、人との比較競争の中で成果を出した経験などにより自信は強く持っています。
その自信を持ってる能力や地位や成果などが自分の存在価値なので、その領域を侵されそうになると過敏に反応し、そこを守るために常に一生懸命です。
相対評価によって付けてきた自信で自我を保っているため、人の出来てないところを見つけ否定しがちになります(自分は出来ていると思えるので)
その他の特徴
- 見栄を張り自分を大きく見せようとする
- 自信はあるが人の目を凄い気にする
- 人に嫌われるのが怖い
- マウントを取ろうとする
- 正義中毒になり、自分の中での正当性を強く主張し中々引かない
- 身なりをかなり気にする
- 「こうあるべきだ!」「なぜ出来ないんだ!」と寛容さが低い
- 人を批判や否定しがちで良くイライラする
- 「こうしろああしろ」と文句は言うが自分で意思決定や行動はしない
- 劣等感を抱きやすい
- 自分の成果を実際以上に大きく見せる
- 実際の能力や成果よりも自己評価が高くなりがち
- 自信はあるのによく不安や恐れにかられる
- 貢献したら評価や感謝など見返りを強く求める
- 悪いあの人、可哀想な私という捉え方をよくする
などの特徴があります。
あくまで例なので上記に当てはまるから必ず自己肯定感が低いとは限りません。
あと、自分自身では自覚しづらいのでもし①タイプの人がこの例を見たとして、自分が当てはまってるとは正直思いづらいかもしれませんが、この記事を見てくださってる方は自分の自己肯定感が低いかもと感じてる方が多いと思うので、ちょっとでも該当する項目があれば自分を客観的に見つめてみて頂ければと思います。
2、自己肯定感が低く自信も低い人
2つめは自己肯定感が低く、相対評価での自信も低い方です。
自己肯定感が低く自信も低い人タイプの特徴
このタイプの人は、シンプルに自分に自信がない人です。
ありのままの自分に価値があると思ってないですし、人との比較競争の中での自信もさほど無い方です。①のタイプの人は口に出すか心の中で言うかは抜きにして攻撃性や自己主張は強いですが、それに比べて②タイプの人は攻撃性や自己主張が弱いです。素直で優しい人が比較的多いですね。
その他の特徴
- 人の意見に合わせることが多い
- 実際の能力や成果よりも自己評価が低い
- 落ち込みやすい
- 人の目がかなり気になる
- 人に嫌われるのが怖い
- 「私なんかが。。」という思考になりやすい
- 不安や恐れの感情を抱くことが多い
- 自分は役に立っているのか不安になることが多い
- 人に対して直接的に注意することは少ない
- やりたいことがあっても中々行動に移せない
- 素直さがある
- 周りは大したことと思ってないのによく謝る
- 人を信じやすくあまり疑わないor極度に人間不信のどちらか
- 周りの人を素直に尊敬できる
などの特徴があります。
自己肯定感の低い2タイプの見分け方
①自己肯定感が低く自信はある人
②自己肯定感が低く自信もない人
両タイプの特徴で被るところもあるので自分はどっちだかわからない思う方もいると思いますが、ポイントは
・自信の強弱
・人を批判・否定(心の中でも)する機会の多さ
・妥当な評価されてないと感じる機会の多さ
が大きな判断軸です。②の人の方がプライドが高く無いので等身大であり、自分を大きく見せたりとかもしないので攻撃されたとか否定されたとも感じる機会が少ないので人に対しイライラする機会は少ないです(もちろん人並みにはあるでしょうが)
①タイプは自己肯定感は低く自信は高いのでその乖離が不充足感を生み、常に強い承認を求めますが、②タイプは自己肯定感と自信との乖離は小さいので①タイプの人よりも承認欲求は低いです。
少し悪い表現が多く不快に感じた方がいたら申し訳ありませんが(特に①タイプ)、①の人も根っこでは凄く優しくて良い人が多いです。
しかし人から認められていない、必要とされていないと感じることは死と同じくらい怖いので、必死に認められ必要な存在であれるようその存在の証明に一生懸命になってしまっているだけ。
つまり生存本能だと私は感じています。これだけ豊かな国なのに自殺者が多いのも近しい理由です。人はお金がなくなった時や食べるものがなくなった時に死を選択するのではなく、自分の存在は誰にも必要とされてないと絶望した時に死の選択が脳裏をよぎるのだと思います。
いかにも私は違いますよという感じで書いてますが、私もずっと①タイプでしたし、今も完全には抜けきっていないと思います。笑
自己肯定感が低いことによるデメリット
自己肯定感が低いとどのようなデメリットがあるのかを記載します。
1、自己肯定感が低く自信は高い人タイプのデメリット
- 嫌われたく無いという心理が強いにも関わらず人間関係のトラブルを起こしやすい
- より自分の存在価値を高めようと努力し成果も出すが幸福度は比例しない
- 人や環境にイライラする機会が多くストレスが溜まりやすい
- 見栄を張るので疲れる
- 達成感や一時的な承認といったドーパミン的な欲求で自分を満たしているが、ドーパミンは同じ量だと足りなくなるためもっともっととなり常に頑張り続けなくならなくなる。
※補足として、人へ貢献した喜びや繋がりを感じた場合はドーパミンではなくオキシトシンが分泌されます。
2、自己肯定感が低く自信もない人タイプのデメリット
- やりたいことがあるのに自分には無理かなとチャレンジできないままになってしまう
- 嫌われることを恐れるばかり本心でコミュニケーションできないことが多い
- 失敗を恐れ過ぎて逆に失敗をしてしまう
- 頼まれごとを断れずにストレスを抱えてしまう
- 相手との関係の中で我慢が多く恋愛が長続きしない可能性が高い(相手の器による)
- 実際は周囲の役に立っているのにその貢献感を感じづらく幸福度が上がりづらい
両タイプ共に
恐れ・不安
が大きく、生きるのがイージーモードではなく常にハードモードです。
自己肯定感が低いことのメリット
逆に低いことによるメリットを記載します。
これは①②共に共通してるところが多いのですが
- 無茶な挑戦はしないので大きな失敗はなく安定はしやすい
- 人に嫌われる恐れから相手の心情などを察する力が強い
- 劣等感をなくそうと高いエネルギーで努力し続けるので能力は向上しやすい(これは主に①タイプ)
- ルールなどはしっかり守る
- 自分のためでもあるが、相手に親身に寄り添える
- 起こる可能性のあるリスクに気づきやすいのでリスクヘッジができる
などです。
最初から自己肯定感が高いと低い人の気持ちは分からないでしょうし、低い状態を経験できているのは非常に良いことです。
自己肯定感が低い=悪い ではない
先述したように低いことのメリットも沢山ありますし、以前の記事で文部科学省の出した自己肯定感の調査結果のことも書きましたが、現代の日本人の50%以上は自己肯定感が低いですし、気にし過ぎる必要はありません。
ただ、私はこれまでの職場で、人間関係の不和が立て続けに起きたり、マウンティング合戦が続いたり、自らの正当性ばかり主張して会議が建設的に進まなかったりなどを沢山見てきました。全てではないですが自己肯定感の低さが原因だなと感じる機会も非常に多く、本当は凄く優しくて良い人たちなのにそういう事が起きてしまうのは非常に悲しかったです。
自分で自分のことを肯定できているからこそ、他者のことも心から肯定できます。
①タイプの人は高いエネルギーを持っていますから、自己肯定感が高くなればより良い影響を周囲に与えられるようになりますし
②タイプの人はプライドが高くない分、自己肯定感を高めやすいです。自己肯定感が高くなれば自ずと自信もついてきて、周囲に良い影響を与えるでしょうし自分自身の幸福度も大分上がります。
低い=悪いではないので、無理してすぐ高めようと思わなくて良いですが、どっちのタイプの人も根は優しくて頑張り屋さんですから、自己肯定感が高くなり今よりも更に自分の人生を最高!と思えるようになったら良いですよね!
自己肯定感が低くなる原因
自己肯定感が低くなる原因はたくさんありますがここでは3つ紹介します。
①親の関わり方
「あなたのままで良いんだよ」「そのままのあなたを愛してる」「何があっても味方だよ」という無条件の愛情が不足し
■良い子でいた
■テストでいい点をとった
■部活などで活躍した
■親の言うことを素直に聞いた
など何かしらの【条件を満たした時】にだけ愛情を与える親が多いです。
誤解ないようにお伝えしておくと、親は愛情はある方の方が多いですが、良かれと思ってしていることが逆効果になってしまっているケースが多いということです。
こうした自分の言うことを聞いた時だけ褒めたり、兄弟や他の子と比較したりを繰り返すことにより子供は
・今の自分のままではダメなんだ
・自分は不十分な存在なんど
・今の自分じゃ愛されないんだ
という感覚が刷り込まれていきます。
②学校の環境
最初は自分らしく過ごせていても、人と違うと白い目で見られいじめにあったり、省かれたり無視されたりする現実を見て、少しずつ自分らしさを消していくようになります。
ありのままの自分でいるよりも
・周りに好かれる自分
・必要とされるキャラクター
でいた方が自分の居場所を作りやすいですよね。
そして学校側も同級生からの評価も
・スポーツができる子
・勉強ができる子
・面白い子
など、人それぞれの個性を認めるのではなく、あるカテゴリーにおいて優秀な人のみが評価されたり人気者になっていくので、たまたまそのカテゴリーでは自分の個性や能力を発揮できなかった人は劣等感を抱きやすくなります。
③社会
職場も比較競争の連続です。
事業として利益を出さなければ社員に給与も払えないし会社も存続できないので親の関わり方や学校の環境に比べある程度仕方ないですが、快楽で怒っている上司、面倒くさい派閥や人間関係、成果でしか評価されない人事評価など、安心していられる職場というのは少ないです。
自己肯定感を高める方法
自己肯定感を高めるには、ありのままの自分には価値があると【自分で自分を認め受け入れていく】ことが重要です。
自己肯定感は他人との比較は関係ないので、正確には高めるというよりも【気づく】ことです。高めるというと低い状態との比較になってしまいますので。自分の価値に気づいていき、結果として自己肯定感が高くなっていることが1番望ましい状態です。
その為に大事なのは
自己理解
です。
自己理解とは簡単に言えば自分ついて深く知っていくことです。人は自分のことを分かっているようで、実は自分のことをあまり分かっていません。
・自分の自己肯定感が低い理由
・自分が心に閉じ込めた感情
・自分が本当に得意なこと
・自分の性格・性質
・自分が本当に大事にしたいこと
それを一つずつ知っていくことで、自己理解が深まり、少しずつ自分で自分のことを認めて受け入れられるようになっていきます。
自己肯定感を高める方法、自己理解を深める具体的な方法は下記の無料セミナーでお伝えしていますので、こちらも是非ご参加ください。
記事を読んで頂きありがとうございました。
ぼく自己肯定感が低い気がするけど、どういう人が自己肯定感が低いというのか分からないんだ。。